俳句・短歌 歌集 2021.01.20 歌集「日々、燦々と」より三首 日々、燦々と 【第5回】 飯田 義則 50年近く弁護士として活動した著者の急がず、惑わず、実直に生きた78年間の人生が詰まった短編集。 先行きの見えない不況や震災などで何かと暗い話題が多く、希望や生きる活力が見いだしにくい世の中にあって、生きることの素晴らしさ、日々の美しさをもう一度気付かせてくれる短歌集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 ぶつぶつと 妻のカレーを 煮る音が 小言の如く 我に聞こゆる 初めての デートの如く 君は今 はにかみながら コーヒーを飲む 若き日に 見る人ごとに 褒められし 雪牡丹のよう 妻の白き手 【友よ、妻よ】
エッセイ 『ねぇねぇみかどのおばさん』 【第3回】 六谷 陽子 不良とつるみ始めた近所の男の子…。駄菓子屋のおかみが決行したのは「えこひいき」作戦!? 一 みかどを閉店します富山の片田舎から下町に嫁いだ頃は、母も人間関係で苦労したようです。当時は、各家庭には水道は通っておらず、共同水道を十世帯くらいで使っていたのです。そこに行けば、他の誰かが必ずいます。特に水を使う時間帯は同じだから、会わずにすませる、というわけにはいかなかったようです。年配のおばさんたちは、個性的で嫌味を言う人もいれば、優しい人もいます。年配らの会話を笑いに変えて楽しむ若妻も…
小説 『上海の白い雲』 【第6回】 河原 城 冬の天津や大連は高層ビルの横を歩くのは危険!太陽が昇るとあるものが落下する!? 旅先での買い物は、二人にとって驚き一杯の楽しい思い出となった。上海での買い物は、外国人と中国人で価格が違っていた。商品を中国人価格の二十倍以上で外国人に売りつける商売人もいて、仁は常に丽萍(リーピン)に値段を確認してから、商品を買った。買わない素振りを見せると店員から、半値にしたり、十分の一程度での購入を懇願してくることも多く、元の価格が全く分からない物も多々あった。更に店員の中国人への接客態度…