こおろぎの 音の響ける 藁葺の 屋根まで蔦の 生えいる古庵
飲み飽きて 丘に登れば 牛あまた のたりのたりと 草を食みゐる
朝露の 富士をすっぽり 包みいて 入山の夢 ついにかなわず
50年近く弁護士として活動した著者の急がず、惑わず、実直に生きた78年間の人生が詰まった短編集。
先行きの見えない不況や震災などで何かと暗い話題が多く、希望や生きる活力が見いだしにくい世の中にあって、生きることの素晴らしさ、日々の美しさをもう一度気付かせてくれる短歌集を連載でお届けします。
こおろぎの 音の響ける 藁葺の 屋根まで蔦の 生えいる古庵
飲み飽きて 丘に登れば 牛あまた のたりのたりと 草を食みゐる
朝露の 富士をすっぽり 包みいて 入山の夢 ついにかなわず