俳句・短歌 歌集 2020.12.23 歌集「日々、燦々と」より三首 日々、燦々と 【第1回】 飯田 義則 50年近く弁護士として活動した著者の急がず、惑わず、実直に生きた78年間の人生が詰まった短編集。 先行きの見えない不況や震災などで何かと暗い話題が多く、希望や生きる活力が見いだしにくい世の中にあって、生きることの素晴らしさ、日々の美しさをもう一度気付かせてくれる短歌集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 次回の記事へ 最新 【友よ、妻よ】 抱き合い 過ぎし月日を なつかしむ 友らが中に まさしく我も 四十年 ぶりに会えたと 抱きあいて 心の重荷 氷解をせり 二三期生 四〇周年を 祝賀せり 五〇周年まで 飛翔されたし
エッセイ 『ねぇねぇみかどのおばさん』 【第3回】 六谷 陽子 不良とつるみ始めた近所の男の子…。駄菓子屋のおかみが決行したのは「えこひいき」作戦!? 一 みかどを閉店します富山の片田舎から下町に嫁いだ頃は、母も人間関係で苦労したようです。当時は、各家庭には水道は通っておらず、共同水道を十世帯くらいで使っていたのです。そこに行けば、他の誰かが必ずいます。特に水を使う時間帯は同じだから、会わずにすませる、というわけにはいかなかったようです。年配のおばさんたちは、個性的で嫌味を言う人もいれば、優しい人もいます。年配らの会話を笑いに変えて楽しむ若妻も…
小説 『海辺のレクイエム』 【第3回】 源 久 「お前に頼みが有るんだ」友人が切り出してきたのは別れ話のことで… そして、酒盛りが始まった。二人は付き合い始めてもう四年になり、できればそろそろ結婚したいなどと、女性にまるで縁がない祐介を前にのろけを語った。祐介は、それは目出度いことだなどと言葉を返して、ビールや日本酒を二人にどんどん勧めた。祐介は、最初のうちは終電で帰ろうと心に決めていた。しかし、酒が進むうちに横になってしまい、そのまま座敷に寝込んでしまった。ふと目を覚ますと、襖が半開きになったままの薄暗い…