俳句・短歌 歌集 2020.12.30 歌集「日々、燦々と」より三首 日々、燦々と 【第2回】 飯田 義則 50年近く弁護士として活動した著者の急がず、惑わず、実直に生きた78年間の人生が詰まった短編集。 先行きの見えない不況や震災などで何かと暗い話題が多く、希望や生きる活力が見いだしにくい世の中にあって、生きることの素晴らしさ、日々の美しさをもう一度気付かせてくれる短歌集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 空高く 白球追い行く 二三期生 峡の紅葉も湖も めでる余裕なし 【友よ、妻よ】 還暦を 過ぎて想うは 君のこと 若き日君に 助けられしこと 春待たず 二人の花は 実と成りぬ 求めし蝶が 愛を運びて
エッセイ 『ねぇねぇみかどのおばさん』 【第3回】 六谷 陽子 不良とつるみ始めた近所の男の子…。駄菓子屋のおかみが決行したのは「えこひいき」作戦!? 一 みかどを閉店します富山の片田舎から下町に嫁いだ頃は、母も人間関係で苦労したようです。当時は、各家庭には水道は通っておらず、共同水道を十世帯くらいで使っていたのです。そこに行けば、他の誰かが必ずいます。特に水を使う時間帯は同じだから、会わずにすませる、というわけにはいかなかったようです。年配のおばさんたちは、個性的で嫌味を言う人もいれば、優しい人もいます。年配らの会話を笑いに変えて楽しむ若妻も…
小説 『ジュピターと仲間達 Jupiter & Friends』 【第6回】 ジェフリー 樫田 森の中をしばらく歩いていくと、間違いなく複数の何者かがずうっと後をつけているようで… 「西方の雪深い山脈にたどりつくには数多くの森と谷や渓谷を越えねばならない。途中には恐ろしい魔物や獣が出没するという国も多い。山脈を越えきるには何か月もかかるらしい。そんな危険いっぱいの国々を無事に旅することができるのだろうか…。明日はトムのために、彼の家族の墓を作ってやらないといけない」ユージンはずっとそんなことを考えていた。「とにかく旅のことは後でゆっくりと考えよう…」そう思いながらユージンも…