第6話 逆転への賭け(太平洋戦争)
名もない兵士の遺体は、すぐに憲兵隊指令部によって秘密裏に回収された。
「鈴木二等兵は菊池一等兵を補助につけ、TENCHIと会話しながら、至急修理してやってくれないか、 もう、ひとは3人しかいないが、いろんな工具だけはこの基地にたくさんある」
「大日本帝国のため、修理はいいと思います。この海亀模型…科学的には宝の山です。それより、なんで私がアツシの補助なんですか…男だから?」
「そんなことはない、工学の知識と技術はアツシの方が上だと思うがな」
冷静にシマは言う。
「でも…」
「絶対服従の階級社会、柔軟な発想の欠如、日本の軍隊の悪いところだ。負ける戦争かもしれないが…最期まで全力を尽くしてみないか」
「今日も徹夜ですね、菊池一等兵、一緒にやりましょう」
アツシは涼子に握手をせまるが、気まずさからか涼子は無視をする。
「分からない所があれば、私に言ってくれ、自分の用が済んだらわたしも手伝う」