玄米は栄養の宝庫
・意欲を出させるフェニルアラニン
フェニルアラニンは、必須アミノ酸の一つです。糖質の吸収を抑えて体脂肪の増加を防ぐ働きがあるほか、慢性的な痛みを軽減する働きもあります。また、フェニルアラニンは、チロシンというアミノ酸の原料でもあります。チロシンは、細胞の新陳代謝を活発にする、甲状腺ホルモンの原料になるだけではありません。
意欲を生み出したり幸せな気分になるドーパミンや、神経を興奮させてやる気を出すノルアドレナリンといった、脳内の神経伝達物質に変換されます。
最近、ちょっと疲れぎみで、なんとなくやる気が出ないという人は、栄養不足の可能性大。微量でもさまざまな栄養素が影響しあうことが健康効果をもたらします。毎日でなくてもいいですから、栄養バランスのすぐれた玄米を食べましょう。
・元気をつくるアスパラギン酸
私たちの体には、エネルギーを産生する「TCA回路」というシステムが備わっています。このTCA回路がスムーズに働くことでエネルギーが生み出されているのですが、カリウムやマグネシウムなどが不足すると、その効率がダウン。体に必要なエネルギーが作られなくなり、パワーが出なくなってしまいます。
そこで役立つのがアスパラギン酸です。即効性のあるアミノ酸の一つで、カリウムやマグネシウムを細胞内に送り込み、エネルギーの産生効率をアップさせます。
TCA回路の効率がよくなると、疲労物質といわれる乳酸がどんどん燃焼されるので、疲労回復にも不可欠です。また、私たちの体重の六〇パーセントは水分(体液)です。体液の電解質バランスが崩れると体調不良を起こしますが、この体液バランスを整えるのもアスパラギン酸の働きの一つです。