俳句・短歌 短歌 自由律 2021.01.02 句集「曼珠沙華」より三句 句集 曼珠沙華 【第23回】 中津 篤明 「冬花火 亡び 行くもの 美しく」 儚く妖しくきらめく生と死、その刹那を自由律で詠う。 みずみずしさと退廃をあわせ持つ、自由律で生み出される188句。 86歳の著者が人生の集大成として編んだ渾身の俳句集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 木挽けぬ木挽 父は 秩父の 深緑 瞑(めつむ)れど 雪 降り続く 父の霊 雪柳 父の 孤独も 闌(た)けしかな
エッセイ 『犬のバトン』 【第10回】 竹本 祐子 散歩中、愛犬が突然動かなくなった。必死の顔で私を見てくる…なぜ?とりあえず抱き上げて体を見てみると、理由が分かった。 【前回記事を読む】台所からプラスチックが燃えたような異臭が…父を問いただすと、得意げに「魚を焼いたんだ」と。見ると青くてドロッとした物体が…酒蔵(さかぐら)らしく、小さな樽で犬小屋を作ってもらう。仕事の間は日向に置かれた犬小屋に繋がれて、のんびり眠っている醸(ジョウ)。仕事が終わると、私の車に乗って家に帰る。家に帰ると、日課のごとく家じゅうを駆け巡り、何か噛むものを見つける。段ボールなど見つけよ…
小説 『僕が奪ったきみの時間は』 【第29回】 小西 一誠 3年前に妊娠させてしまった元カノの家を訪ねた。「遥香さんは、僕に会いたくないんでしょうか…」と聞いた僕に、彼女の母親は…… 【前回の記事を読む】彼女の母と祖母が僕の前で言い争う……この家族をめちゃくちゃにしたのは、僕なんだ由紀子さんの冷たい言葉は、まっすぐ僕の胸に突き刺さった。謝罪すら必要とされない存在は、僕が生きていることすら否定しているように感じる。でも、どうしてか。驚きはしたが、そんなに落ち込んではいない自分がいた。こうなることを無意識のうちに想像していたのだろうか。それよりも、僕はずっと持っていた疑問の答えが…