俳句・短歌 短歌 自由律 2020.12.26 句集「曼珠沙華」より三句 句集 曼珠沙華 【第22回】 中津 篤明 「冬花火 亡び 行くもの 美しく」 儚く妖しくきらめく生と死、その刹那を自由律で詠う。 みずみずしさと退廃をあわせ持つ、自由律で生み出される188句。 86歳の著者が人生の集大成として編んだ渾身の俳句集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 ふらここや いくたび 青き 海に恋 遠ざかる 父の 風景 蛇泳ぐ 青大将 裏側 白き 別離あり
エッセイ 『ボクは、笑顔でできている ~多くの人に支えられて、白血病と闘うことができました~[注目連載ピックアップ]』 【第2回】 向井 健一郎 「病名は急性リンパ性白血病です」"急性リンパ性白血病"は約10万人に1人の確率で発症する。なぜ私が、と妻と二人で泣いた。 翌日の朝に、もう一度血液検査とエコー検査などを行いました。消化器内科の医師からは、「肝臓や脾臓は少し腫れているが、これが痛みの原因とは考えにくいです。最初のCTスキャンの画像を見ると、リンパ腺がいくつか腫れているところが見られたので、午後からは血液内科で診てもらいましょう」という話がなされました。私は「血液内科」とは初めて聞く名前だったので、これは何の病気だろうと思っていました。午後、病室が血液…
小説 『冬隣』 【第7回】 順菜 「あんたはとうに賞味期限切れだろ? ちょろかったよ、俺のような男がたまたま相手してやっただけで自惚れるなよ」 【前回記事を読む】「いい?」と聞かれ、抵抗なく頷いた。言葉少なに手を繋いだ二人は部屋に入り、優しく…「もう帰るの?」咲元がシャワーを浴びている間、紫はベッドで携帯を見ていた。最中に届いたメールは、辞めたブラック会社の同僚からだった。内容は相変わらずのモラハラ三昧に対する文句だったが、紫にはもう過去のことだ。携帯を閉じて、咲元を見た。すると今まで見たことのない不機嫌な顔をしていた。急に、私何かした…