発達障がいは治療できる 診断、対処法、正しい治療を受けるために

“「発達障がい」は治療ができない難病ではありません。具体的な向き合い方、どうすれば症状は良くなるのかといった筋道はあります。早期発見・早期介入が求められるのは、治療が早ければ早いほど症状に改善がみられるからです。”医療現場の実情、最新の診断・治療法を専門の小児科医が解説していきます。

音楽が自閉スペクトラム症を救う

薬を使わない自閉スペクトラム症の治療として、私のクリニックではミュージック・ケアという音楽療法を行っています。誰でも、どこでも、いつでも気軽にできる音楽療法として、石川県加賀市にあるNPO法人日本ミュージック・ケア協会が中心となって全国に発信している方法です。

私が以前、茨城県の行方市で行っていた5歳児健診の中で協力してくれたミュージック・ケアの仲間が、今も私のクリニックへ来てくれています。私のやりたいことに共感し、クリニック開設当初から発達障がいのお子さんと一緒に、楽しくミュージック・ケアをやっていただいている大切な仲間たちです。

全国のさまざまな療育で体操や音楽を取り入れていますが、多くは専門外の人が担当しています。発達障がいを抱えたお子さんのために音楽療法士がプログラムを組んで、1回1時間の療育を行っているクリニックは全国でも珍しいのではないでしょうか。

噂を聞いて、音楽療法だけをやりたくて受診してくる親御さんもあとを絶ちません。大学病院からも音楽療法を行ってあげてほしいと私のクリニックに紹介してきます。