俳句・短歌 短歌 自由律 2020.12.26 句集「愛のままで咲く」より三句 愛のままで咲く 【第22回】 馬場 美那子 “こぼれる愛 からめた指の すき間から” 十七音に込められた、愛と感謝の川柳句集 母へ、恋しい君へ、愛犬へ、かけがえのない日常へ。やさしく、時に激しい愛の詩。 5章からなる川柳句集を連載にてお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 死別とや君より先に死にたいな 君からの恋の悩みよホトトギス 一目散に駆け寄る犬(フク)の愛らしさ
エッセイ 『逆境のトリセツ[パラリンピック特集]』 【新連載】 谷口 正典,益村 泉月珠 右足を切断するしか、命をつなぐ方法はない。「代われるものなら母さんの足をあげたい」息子は、右足の切断を自ら決意した。 失うのは生命か右足か究極の選択まだ寒さが残る三月。午前二時。ピンポーン。「こんな時間に誰?」上着を羽織りながら玄関を開けた。そこに立っていたのは、背筋を伸ばした警察官だった。「正典さんのご家族の方ですか」「正典の母です。どうかしたんですか?」「正典さんが、国道二号線でトラックとの事故に遭いまして……」「え……、正典は無事ですか?」「現在、病院に搬送中です」動転した母は、兄と一緒に俺が運ばれた病院…
小説 『Ore Joe! 俺たちの青春』 【第2回】 本村 雅寛 夏、決まってお参りに来る爺さんにわけを聞く。「捨てられた分隊だったんですよ」と悔しい目で、仏壇の上にかけてある遺影を見た。 【前回の記事を読む】親父は何故「あしたのジョー」に魅せられたのだろう。ファイティングポーズをとった自分は何に見えるだろうか…日常の生活の中で、天井に貼ってあるジョーのポスターが、不思議と脳裏に表れてくる。あの眩しい、そして、神々しい白い世界が現れる。あれはいったいなんなんだ。リング一帯の風景が真っ白なんだ。そんな時、何かに立ち向かうように本能で、ヨシオは手を顔面に添えて、ガードをとる。ヨシオは、…