エッセイ 日本画 2020.12.22 その一言を吐くために、どれほどの勇気がいったことか もう一度かあさんの聲が聴きたい 【第2回】 法邑 美智子 オールカラーでお届けする魂の響き、日本画作品40余点 いまだから、いまになってから、思い出すあの眼差し、あの温もり いまだから、いまになってから、叶わないことだけど、ただ願う―― 母という存在をなくして、心は声なき言葉を語りだす。 失ってから、ふたたび得る。ひとすじの救済への過程。 「かあさん、ありがとう」 第21回 日本自費出版文化賞「詩歌部門賞」受賞作品を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 九十五歳で 九十五歳で乳ガンの手術 病室でかあさんは私を手招きして 「乳首が無くなったよ もう私女でないんかねぇ」 「そんなことはないんだよ」と私 後向きにほほがゆるんだ 全身に広がっていく痛みをうけとめ 最後まで自分のことは自分でして 家で息をひきとることを望んだかあさん 痛かったね がんばったね かあさんは立派でした 写真を拡大 「潮涼」
小説 『娘からの相続および愛人と息子の相続の結末[人気連載ピックアップ]』 【第10回】 川井 れもん 娘の葬儀代は1円も払わない、と宣言する元夫。それに加え、娘が生前に一生懸命貯めた命のお金を相続させろと言ってきて... 次の日から雄二と2人で、市役所に提出する書類の整理や墓に納骨をするなど、予想以上にやらなければいけない事が多かった。そのためここ数日、私は身体に激しい痛みを感じて我慢できなくなっては休憩して、回復してから行動しての繰り返しだった。それでも、なんとかやらなければならない事をすべて終了させて、やっと直美の遺産相続の手続きをする事になった。この手続きは最初から姉に依頼しており、直美名義の口座がある銀行…
小説 『幸せを呼ぶシンデレラおばさんと王子様[2024年話題作ピックアップ]』 【第2回】 武 さき 「もうあなたを愛せない!」別れを切り出した夜、主人は何も言わず私のベッドに入ってきて... 「明日から行くから」と。私は無視して二階に上がった。主人がシャワーから上がって寝室に入ってきた。主人に背を向け寝ているふり、主人が私のベッドに入って来た。「何!」大声で言い放った。主人は何も言わず私を抱こうとした。「何を考えているの!」「やめて!」主人は人が変わったように無理やりキスをし、パジャマを脱がしている。「放して!」言っても手を止めない。凄い力。初めてだ。首にキスをし、胸をつかんでくる。…