北海道

ちょっとだけ北快道 二〇一七年八月

【第一日目】 珍重の夏

「ぶっ飛ばすぞ! この野郎!!」

【他の記事も見る】JALの機内で“ありがとう”という日本人はまずいない 

次男の大学合格祝いとして計画した二泊三日の初めての北海道旅行。八月の上旬、ようやく飛行機・宿の予約が取れた翌日、次男がその日は大学の試験日だったと、しれっと言ってのけたのだ。

女房や長男の八月のスケジュールの都合で、他の日への変更はきかず、結局一泊二日の旅程にせざるを得なくなった。しかも、八万円のキャンセル料を支払って……。

九州男児として、対抗心と共に憧れを抱いていた北海道。次男の大学合格祝いは口実で、ずっと行ってみたかった北海道。

何よりも、九州より広い北海道。移動にかなりの時間を費やすことを考えると、一泊二日という致命的な日程では旅程を立てるのに頭が痛い。とにかく、登別温泉を旅のメインに据えることにした。

出発当日。福岡空港午前八時発の飛行機に乗り、羽田空港で乗り継ぎ、午前十一時四十五分に新千歳空港に到着予定。福岡空港では、保安検査場の前で長男が、急にソワソワし出す。