北海道

ちょっとだけ北快道 二〇一七年八月

【第一日目】 珍重の夏

最近、飛行機に乗るたびに気になるのが、横分けにした髪を額にペッタリと貼り付けたヘアスタイルの客室乗務員が多いことだ。

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なんだか、髪の毛が、海苔に見えて海苔弁当を想像してしまう。うん、額に卵焼きや竹輪の磯部揚げが乗っていても違和感がない。客室乗務員の海苔弁ヘアに食欲を刺激されたのか、前の座席の三十代くらいの夫婦が北海道の食べ物の話で盛り上がっている。

しきりに「ヤバイ、ヤバイ」を連発。「ジンギスカン」「ウニ・イクラ丼」「ザンギ」「味噌ラーメン」「塩ラーメン」「スープカレー」「石狩鍋」「ちゃんちゃん焼き」「エスカロップ」「焼きとうもろこし」等々、北海道名物のラリーが延々と続く。

そして飽きもせず「ヤバイ、ヤバイ」。呪文のように繰り返している。ヤバイのは、旦那の薄くなった頭頂部だよ。

途中、福岡・羽田両空港で貨物の積み込みや乗客の搭乗の遅れがあり、貴重な時間が一時間弱も無駄になる。新千歳空港到着。北海道に来たからには、味噌と塩ラーメンは食べねばと、新千歳空港ビルにあるラーメン・エリアへ向かった。

しかし、この空港は意外と案内表示板が少なく感じるので、なかなか辿り着けない。やっとのことで、辿り着くとエリア一帯は、腹を空かせた観光客でごった返し、阿鼻叫喚地獄となっている。十店舗あるラーメン屋の中から、北海道Walkerの人気投票で一位と自称するラーメン屋に入店する。