第二章 ADHDを治療すると希望が見える
薬でADHDは治療できる
一方、メチルフェニデートは、1日1回、起床後すぐに服用します。顔を洗う前に飲むのです。
以前は徐放性タイプではなかったので、効果は午前中しかみられませんでした。しかし、数年前から、有効成分の放出をゆっくりにし、服薬回数や副作用のリスクの少ない徐放性のもの(OROSタイプ)が出回り、午前中だけでなく、午後も効果が続くようになりました。
数年前に中枢神経刺激薬で処方の乱用が問題となり、医師が処方したり、薬剤師が調剤したりするには管理委員会の講習を受けて登録が必要となっています。この関係で、30日分しか処方できなくなり、アトモキセチンと異なり、処方日数制限があります。
処方上は1日1回ですが、成人では36㎎/日以上の場合、朝と昼に一錠ずつ分けて飲むと一日安定するケースが多く見られています。錠剤の剤型が18㎎と27㎎の2種類しかないので、まずは18㎎1錠から始めて0.4㎎〜1㎎/㎏/日の範囲内で、1回の量として小児では、上限54㎎/日まで、成人では上限72㎎/日まで漸増していきます。
徐放性錠剤(OROSタイプ)の特徴上、砕けない頑丈な錠剤なので、錠剤を飲めないお子さんだと使用ができません。臨床上、OROSタイプでは習慣性や依存性は認められていませんが、私のクリニックでは念のため土曜日を休薬日としています。