第二章 ADHDを治療すると希望が見える

知識のある愛が一番の支え

⑥自治体の児童相談所では、こっそりと(?)ペアレント・トレーニングという、発達障がいを抱えたお子さんに対してどのように接していくのが効果的かを学ぶ、家族のグループ指導をやっているところもあります。 

なぜ「こっそりと(?)」と書いたかというと、ほとんどの親御さんに知らされていないからです。 

クリニックに来ている方たちに聞いても知っている方はほとんどいません。ペアレント・トレーニングを受けることで、発達障がいを抱えているお子さんとの向き合い方を学ぶことができます。つまり、発達障がいのお子さんの「取り説」を学ぶのです。

このようなトレーニングをクリニックなどで行う場合は採算を考えるとまず自費になってしまい、高額な料金を支払わなければなりません。だからこそ自治体のほうで無料で行ってほしいのです。ぜひとも続けてほしい事業の一つです。

2016年には日本ペアレント・トレーニング研究会が発足したので各自治体担当者には是非参加してほしいです。

具体的にどのようなことを学ぶのかを紹介しますと、お子さんの好ましい行動・好ましくない行動・危険な行動、褒め方のコツ、好ましくない行動から注目を取り去って待つ(無視する)コツ、効果的な指示の出し方、より良い行動のためのチャート、警告とペナルティーの与え方、学校との連携の仕方といったものです。