第二章 ADHDを治療すると希望が見える
知識のある愛が一番の支え
今まで私のクリニックでは初診で来た親御さんに、「子どもと接する上でこれだけは知ってほしい・やってほしい」と次のような内容のプリントをわたして説明していました。最近は、この私の本を読んで勉強してくださいと伝えています。
①自閉症の方たちと接するための基本的なプログラムである、TEACCH(Treatmentand Education of Autisticand Related Communication Handicapped Children)というものがあります。アメリカのノースカロライナで生まれました。
これは、自閉症の人たちに彼らを取り巻く環境の意味を伝え、有効なコミュニケーションを図りながら、彼らとの共存世界を目指そうとするプログラムです。TEACCHについては、1冊の本になって出ていますので、ここではその内容は省かせてもらいます。
外来では『「自閉症への親の支援」TEACCH入門』(エリック・ショプラー編著、田川元康監訳、新澤伸子・中山清司、梅永雄二・安倍陽子訳、黎明書房)という本を紹介しています。他にもTEACCHを日本へ紹介した故佐々木正美氏が書かれた本などがおすすめです。
②高機能自閉症の方が書かれた本(伝記)をなんでも良いので1冊読んでみることをおすすめします。当事者が書いた本を読むことで、発達障がいのお子さんの行動や悩みが、少なからず理解できるでしょう。それを知ることによって、接し方も変わってくるように思われます。
古い本で手に入りにくいかもしれませんが、クリニックでは『ずっと「普通」になりたかった』(グニラ・ガーランド著、花風社)というニキ・リンコ氏の訳本を紹介しています。