第1章 デキる社会人になる素質は家庭での幼児教育で養われる

“社会人の能力は会社で鍛えられる”は大間違い

社会人基礎力は幼少期から長い時間をかけて育てていく能力

“デキる社会人”とはどういう人でしょうか? 20~30年前であれば、多くの知識がある人、その人にしかできない特殊な技術を持っている人などが重宝されていました。しかし、スマホで簡単に情報が手に入り、AI技術が進歩し、ロボットによる加工技術が格段に向上した現在、知識や技術力よりも多様な能力が必要とされてきています。

企業での業務内容は、会社ごとに異なっており、入社してから覚える必要があります。しかし、一通り業務に慣れ、一歩先を目指すときには、社会人基礎力である「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」が大きな差となって顕在化してきます。しかも、これらの力は一朝一夕で身に付くものではなく、個人の性格を十分考慮しながら育てていく必要があります。

いずれの力も能動的要素を多く含み、かつて“良い子”とされていた真面目でおとなしい子よりも、個性豊かで積極的な子を育てる教育方針であるといえます。そのような子どもを育成するためには、自信を深め、自己肯定感を高めることがとても大切になります。また、失敗を恐れずに多岐にわたる事象に挑戦する力も必要です。

他の人と同じことをして安心するのではなく、変わっている部分を個性として認めて伸ばしてあげる努力が、デキる社会人に結び付いていきます。一方的に教える育児ではなく、個性を大切にしながら、見守る子育てをしていくといいと思います。

ここがポイント
時代、環境の変化に対応するためには、知識や技術力だけで一歩先を行くのは難しく、社会人基礎力を含めた多様性が大切です。幼少期から失敗を恐れず積極的にいろいろなことにチャレンジさせましょう。