【前回の記事を読む】回復不能な患者に、妻と息子は人工呼吸器を望んだ。だが脳死と判明すると、一転して「外してほしい」と強く求め……
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県警の捜査は全国紙にも報じられて世間を騒然とさせたが、結局、東部救命救急センターの呼吸器取り外しに違法性はないと結論づけられた。しかし、このことで脳神経チームと筋骨格チームの間は一触即発の状態になり、そして遂に両者の間で小競り合いが起きてしまった。
その仲裁に入って両者を諭し、突進する筋骨格チームの医師を押し留めようとした正太郎は、若い医師の胸を両手で突き飛ばして強く譴責(けんせき)したと騒ぎ立てられ、パワハラ医師の汚名を着せられてしまった。
目撃者もいて正太郎の潔白を信じている伊能は、正太郎を懸命に守ろうとしてくれたが、またしても中部報知新聞が針小棒大に事件を報じたため県が動き始める始末になった。
正太郎に非のないことは明らかであったが、良かれと思った自らの行動が結果的に呼吸器取り外し事件やパワハラ騒動を引き起こすことになってしまった。そのことに重大な責任を感じた正太郎は、県、地域医療センターと東部救命救急センター、そして何よりも伊能にこれ以上迷惑をかけるわけにはいかないと自ら身を引く決意をした。
責任は自分にあると言って正太郎を強く慰留する伊能に、正太郎は身を裂かれる思いで別れを告げ、その頃、熱心にリクルートを打診してくれていた工藤に拾われる形で関東臨海病院に転職をしたのであった。