【前回の記事を読む】「2週間ぶりに泳げた!」プールの使用再開に喜んだのもつかの間…SMSに「活動停止になるかもしれない」と連絡が入り…

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よし、決めた。いや、初めから決めていたような気がする。

〈一年 瀬川汐歌 帰省します 自主トレ頑張ります〉と全体にメッセージを送り、一年生共有の方には、〈私も帰省するね この後どうなるんだろうねえ……〉と打ち込んだ後、ふうんと、ちっちゃく息を吐いた。

「一年」でよかったのか、「新二年」とかにすればよかったか、まあいいか、どっちでもと、どうでもいいことを考えてしまう。

普段は、基本的に自炊をすることにしているのだが、その日は、なかなかその気になれなかった。帰省する前に冷蔵庫もある程度空にしたかったが、それも面倒になり、歩いて三分のいつものコンビニに行った。

コンビニで買ったアボカドとエビとチーズをマヨネーズ風味のドレッシングで和えた総菜と、おかか梅の大きめのおにぎりをゆっくり口に運ぶ。

この一年で夏と冬、二回帰省をしたが、どちらも新幹線を利用した。今回に限っては、迎えにきてもらえるのであれば、父か母にお願いしてみようかなと考える。いや、そもそも帰省したいということを、まだ家族に連絡していない。

真名ちゃんは、「そっちにいてくれ」って言われたんだよなあ。急に心配になってきた。

自分と同じ東北出身の真名ちゃんは、確か仙台近郊に実家があったはずだ。

首都圏に比べたら東北の感染者数は圧倒的に少なかった。私の出身地岩手県においては、未だ感染者数ゼロだ。彩音ちゃんも車で迎えにきてもらったって言っていたし。とにかく今回は特別だし、私は感染していないし、岩手にいた方が絶対的に安全だしと、根拠のない言い訳をあれこれ巡らせた。

正直に言えば、何より一度帰ってホッとしたかった。

程よい「すっぱしょっぱさ」のおかか梅のおにぎりを頰張り、麦茶で流し込みながら、母親にメッセージを入れてみた。

〈部活が活動休止になったので、帰省したいです。迎えに来られる日があれば、車で迎えにきてもらえますか?〉

いつもより丁寧な文体で送信。さあ、どうだ。

空になった総菜のカップに、おにぎりのゴミを無造作に詰め、ゴミ箱にポンと投げ入れた。そして、自分一人だけの狭いアパートの部屋で、誰かに聞かせるかのように、わざとらしく大きなため息をついてみた。