ゴーグルや水着、スイムタオルも、普段のプールはけっこう派手な色と柄にあふれているのだ。私は、マリンブルーの爽やかな色合いが好きで、好んで、練習でも使っている。
プールサイドで入念に準備体操をし、一番端のレーンの飛び込み台にゆっくりと上がり、その先端に指をかける。大きく息を吸い、しぶきが一つも上がらないくらいスローに、そして、できるだけ深く飛び込んで、ストリームラインに。飛び込んでしまえば、もう自分一人だけの世界だ。
この水もプールも、すべてが。どれくらい泳ぐかもどれくらいの速さで泳ぐかも、何も決めずに水をかく。
ひとかき、ひとかき。あと少し、あと少し。いや、まだまだ。だんだん自分は無になることを知っている。自分が水の中にいるのか、水が自分の中に満ちていっているのか、よくわからない感覚になるまで。この感覚が好きだといつも思う。
生きている。私は生きている。私は、生きている。
そのことだけを実感する。
二週間ぶりの活動が許可されたのは、昨日の夕方だった。新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、全国の小・中・高等学校が一斉に臨時休校になったのが二週間前だ。大学自体は長い春休みの最中だったが、多くの運動部で、来るべきシーズンに向け、トレーニングに熱を入れ始める時期だった。
所属する水泳競技部は、五月頃から、少しずつ記録会等が入り始め、その後、目標とする大きな大会が続くのに向け、練習や合宿が予定されていた。大学側は、部活動に関しては、各部の判断に任せるというスタンスを取っていた。
次回更新は10月20日(火)、14時の予定です。
【イチオシ記事】どのような経緯で二人きりになったのか、どうしてホテルに行くことになったのか覚えていなかった
【注目記事】中学教師の彼と2回目は部屋でやった。マンションへ向かう車内で「まずいな」と下校中の生徒たちの横を通りすぎようとすると…
ゴールドライフオンライン(GLO)は、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン(GLO)編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp