3 子供は親と一緒に住むのがよいのか

子供が親と一緒に住むことを望む場合ももちろんあるでしょう。この場合のポイントは、同居の前に子供は奥さんの意見を聞くことと、奥さんが夫の親と同居しても一緒にやっていけるのかよく見極めるべきだということです。長男だから親と同居すべきだと考えると、今の時代では結婚できない可能性もあります。

同居するメリットは、子供の方からみると、居住費がかからないので貯金ができる、親の健康状態を把握しやすい、家事や育児を分担できることなどといわれています。

一方親の方から見ると、子供が一緒にいると安心で、体調が悪い時には面倒をみてもらえるし、家事も手伝ってもらえることです。子にも孫にも頻繁に会うことができることも大きなメリットかもしれません。

逆にデメリットは、プライバシーが確保しにくいことや、生活のリズムが違うこと、生活費の分担の問題、子育てや金銭感覚といった価値観や生活習慣の違いから生じるギャップが出てくることといわれています。

しかし、実際に一緒に住むと期待したメリットはなく、想定しなかったデメリットが出てくる可能性は大きいのです。

例えば子供が生まれたり、パートで働き出したりとか、親が入院したとかで、事前に話していた家事の分担ができず、若い奥さんが家事をほとんどしないといけなくなったとか、その逆もあるでしょう。生活費の分担も事情が変わって途中から変更を言われたとかいうこともあるかもしれません。

でもいったん同居すると、出ていくことは難しくなります。特に介護が必要になると、確実に若い奥さんの負担が大きくなっていくでしょう。それを踏まえたうえで同居に同意しているのかなどと考えると、かなり高いハードルがあると思います。

現実のデータでは、既婚者とその親との同居は約23%、近居(車・電車で1時間以内)は約52%で、介護等の理由から65歳以上では約30%が同居しているそうです。データから7~8割の子供が何らか親の世話に関わっていることがわかります。近居というスタイルが多いのは、現実的な介護にまつわる苦労話を聞いていての慎重な対応だと理解できます。

私は子供として、気持ち的には同居を選びたいのですが、現実的な対応としては、近居から始めるのがよいのかなと思っています。親が元気なうちはまだよいかもしれませんが、認知症になったり寝込んだりしたら、24時間介護になります。大変だからやめようと思っても同居から近居には戻れないし、施設に入れるしか選択肢がなくなります。

それなら近居でできる範囲で介護して、どうしようもなくなれば施設という方が双方にとって楽なような気がします。ただ、高齢者の多くが施設に入るのを嫌がるということも知っておいてください。自分自身の判断でなく、子供の都合により施設に入れられると見捨てられたと感じる人もいるようです。

2021年の「人生の最期の迎え方に関する日本財団の全国調査」(日本財団)では、死期が迫っているとわかった時の人生の最期を迎えたい場所として、高齢者が選んだのは、1位は自宅で58.8%、2位が医療施設で33.9%、3位の介護施設は4.1%でした。

また絶対に避けたい場所として1位が子の家で42.1%、2位が介護施設で34.4%、という結果となっています。それ以外にも高齢者自身の95.1%が「子供の負担にならないこと」、また子供世代は85.7%が「(親が)家族との十分な時間を過ごせること」を重視していると回答しています。

このデータからわかるのは、まず親と子の望んでいることのギャップです。

試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

 

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