由那にも指摘された。意識の隅に追いやっていたが、赤道にレイラが見えて以来、おれはおかしい。赤道に見えたのなら、おれに何か言いたかったのではないか。
「直美さん、今月は許して」
二日酔いのせいで麻田はオフィスでもソファで倒れていた。変なかっこうで寝ると、ラグビーをしていた頃の腰の古傷に痛みが走り、しばらく動けなくなる。直美さんは何も言わず麻田を眠らせ、起きれば冷たい水とおしぼりをもってくる。午後遅くには茶漬けや季節外れの餅を焼いて出してくれた。
「社長、お起きになって」
夢の中で直美さんがしゃべったと思ったら、現実だった。壁の時計は二時半を指している。
「お客様よ、社長。しっかりなさって」
重い頭を上げると、赤道が来客用の椅子に座るところだった。
「ボーッとしていました」
「とくに用事はないのよ。そばに来たから」
麻田はふらつく足でゆっくり歩き、赤道の向かいに座った。
「お酒?」赤道は笑った。
次回更新は10月6日(火)、11時の予定です。
【イチオシ記事】隣の部屋の男から誘われた。つい昨夜、別の女性と愛し合う“あの声”が聞こえたのに…なぜか断れず、誘いに乗ってしまった。
【注目記事】目が覚めると、彼氏がベッドに縛られていた…傍で女が笑ってる。彼の悲痛な声もお構いなしに、女は彼の服を脱がし体にキスし始めた
ゴールドライフオンライン(GLO)は、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン(GLO)編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp