けれど、その瞳に宿る光は、宝石箱の中でも一際輝くダイヤモンドのように力強く僕を照らした。

「あっ……あ……」

僕は彼女を前にして、金魚のように口をぱくぱくさせることしかできなかった。謝りたいこと、伝えたいこと、聞きたいこと。それらが濁流のように押し寄せてきて言葉にならない。

「会うべき時に、会いたい人に会えるものですね」

「……そうだね」

情けない顔をしているだろう僕に対し、彼女はどこまでも晴れやかだった。

「私の人生だから私のしたいことをしようって。初めて会った時、私に言ってくれた言葉を守って行動したんです。今はお金はないけれど、友達もいてすごく楽しい」

彼女は、僕の手をそっと取った。

「パンケーキを作ってあげます。だから、私がパティシエになるまでの話を聞いてください」

僕は、震える指先で財布を出し、微笑んだ。

「……あいにく財布には一万円しかないけれど、一つ作ってくれないかな」

彼女はまたクククと笑い、僕の手を引いて歩き出す。

自らの幸せを見つけ出した彼女が語る物語は、きっと僕の一万円、これまで稼いできたお金、いやきっとこれから稼ぐ全財産を積んでも買えないほどに尊く、温かいものだろう。

本連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。

 

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