「そうよね。ごめんなさい。きちんと説明するね。実はね、私のパパは時間省の役人なの。だから、こっそりとパパのタイムマシンを拝借してきたの。もちろんバレたら大変なんだけどね」
「時間省? タイムマシン? キミは完全に狂ってる! ああっ……」
彼はあんぐりと口を開けたまま、ぼう然と天井を仰ぎ見た。
……やがて、大きく深呼吸した。
「ま、まぁ、とにかく、そこのベッドに座って話そうよ」
ふたりはベッドに並んで座る。
「あら、この時代のベッド、硬いのね」
「キミは何歳?」
と、ようやく落ち着き始めた声で彼は訊いた。
「14歳よ」
「じゃあ、年上だね。ボクは12歳だから」
「その年を選んで来たのよ。あれ、この言葉づかい、大丈夫かな?」
「うん、ふつうだよ。べつにおかしくはないけど」
「よかった。ココちゃんのおかげね」
「ココちゃん?」
「うん、超AIチップの名前」
「超AIチップって?」
「百年後の人工知能よ……私たち、生まれるとすぐにチップを脳に埋め込まれるの。小指の爪くらいのね。そしてね、その超AIチップが、言葉も文化も、なんでも教えてくれるの。脳のなかに、トラえもんがいるって感じね」
「へぇ……。なんかすごいな。でも、生まれたばかりの赤ちゃんに手術なんて可哀そうだよ」
「埋め込みは、手術じゃなくって、ミルクと子守歌でするのよ注」
「なにそれ!?」
「まあ、詳しいことは、そのうち話すね。それでね、ココちゃんに頼んで、ちょっと原始時代に行ってきたの。今はその帰り道ってわけね」
「ゲ、ゲンシ時代だってえー!」
翔太、大声で叫んでのけぞる。
「そんなに大きな声を出さないでよ。ひいおじいちゃんだって遊園地に行くでしょ」
「遊園地と原始時代じゃ、ぜんぜん違うじゃん!」
目を大きく見開いて、怒ったように叫ぶ。
「私たちの時代ではそんな感じなの」
「……!?」