そしてキリストの誕生後、宗教の世界は次の政策段階がやってくる。
西洋では聖書が編纂され、インドではマハーヤーナ「大乗仏教」が説かれ、紀元一~二世紀頃から世界は創作神話と創作説話の時代に入った。
これは、キリストが教えてくれたこと、お釈迦さまが説いてくれた事とは別で、今の私達とも違うその時代に生きた人々の物語だ。
西洋は、創造主である唯一の神を推し全治全能の神への信仰を生み出し、ローマ帝国による一神教化が成功した。
キリストを信仰する人々が脅威となっていたローマ帝国では、弾圧よりも政治利用する事にし、逆にキリスト教を国教としてしまいローマ皇帝は全キリスト教徒の中の最高位の存在となり、そぐわぬものは「異端である」として排除していった。
一方、東洋では逆に他宗派に対抗する為、力強い神が次々と生み出されて多神教化が進んでいった。
ブッダの入滅後五世紀が経ち、権威的になりすぎた仏教はバラモン教に押され衰退してしまい、新たに『大乗仏教』マハーヤーナが台頭してきた。
出家者だけでなく、多くの民衆を救うというマハーヤーナは勢いを増し、バラモン教国を仏教国へ改宗させるほどになった。
法華経などの経典でブッダに纏(まつ)わる様々な説話が説かれる様になり、言わばこのスピンオフ作品の中で力強い神々『仏教の守護神』たちが新たに誕生した。
蛇神ナーガ、夜叉、羅刹、祇園精舎の守護神「牛頭天王」もこの頃だと思われる。牛の頭を持つ神とは、西アジアの神バールでありインド仏教が取り入れた存在で、ローマから日本まで御名を変えながらも最も広く伝わった豊穣の神だ。
インドでは、蛇は忌み嫌われ霊鳥ガルーダや孔雀明王に退治されてしまう様な対象だったが、説話の中では仏教に帰依して『ナーガ』という仏教の力強い守護神に変わった。
この様にして仏の守護神となった多くの神々を生み出すことで、信仰の範囲を広げた。そしてまた如来や明王など力強い神々を生み出し、ヒンズー教など他宗教に対抗しようとしたが、結局は密教化が暴走してしまい仏教は衰退していった。
西洋の信仰拡大が「神」そのものを拡大し唯一全知全能の神を創り出したのに比べ、仏教の信仰拡大は宗教環境により、その都度その都度、神々の数を増やしていった事が特徴的だ。
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