コンサルが出すのは絵に描いた餅
このような実態がありながらも、新たな事業創造領域においても、戦略コンサルタントは重宝され続けていますが、その理由は実にシンプルです。
クライアントは、戦略コンサルタントが持つ裏能力である「絵餅を描く力」を頼っています。奇妙で滑稽な話に聞こえるかもしれませんが本質を突く事実でもあります。
戦略コンサルタントは、経営戦略という合意の難しいアウトプットを納期通りに提出しなければなりません。
クライアントのIR・予算策定スケジュールも踏まえ、遅れることは許されない。その中で、常に迫られる誘惑が、クライアントの全員が納得する当たり障りのない総花的な絵餅を描くことです。
厳しい未来と困難な課題を提示する代わりに、各領域の幹部が考えているバラ色の未来をそのまま描くという選択肢をいつもそばに置いています。
コンサルティング業務が、クライアントからお金をいただいているサービス業、代行業である以上、クライアントの意に沿い、喜んでもらうべきという前提もあるのでしょう。
自覚してか無自覚かはわかりませんが、クライアントとのコミュニケーションから多くの情報を得て、そこから示唆を見つけ、進むべき道を導くのではなく、早くからクライアントが望む道、悪く言えば落としどころを見つけそれを正当化するためのエビデンス情報を探すというアプローチを採っている戦略コンサルタントもいます。
それはそれで、クライアントは満足するわけで、サービス業・代行業として間違っているとは言い切れません。
また、長年、当該既存事業を営むクライアントの上位層が日ごろの知見から導き出した答えが正確であることが多いということも否定できない事実です。よって、ここで良し悪しは述べることはしません。
ただ、戦略コンサルタントにとって、クライアントが望む絵餅を描くことが最も楽で、最も無難なやり方であり、かつ情報収集技術と思考技術に長けた戦略コンサルタントはこのやり方も上手くこなすことができるということは強調しておきます。
試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。
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