第1章 思いもよらない事態
その4 抗がん剤との付き合い方
─本当に抗がん剤は辛い─
白血病の第二段階治療(地固め療法)では避けて通れない「脱毛」の準備について考えてみました。第二段階の治療では、強い抗がん剤を使用するのでいろいろと副作用が出ますが、その一つが「脱毛」です。
よくドラマなどで、白血病の患者さんの髪の毛がバサッと抜けて驚くシーンがありますが、実際にも髪の脱毛は突然にやってくるようです。また、それは強い抗がん剤を使用して2週間から遅くても3週間ぐらいで起こるそうです。しかも、個人差はあるようですが、全部の髪の毛がいっぺんに抜けるのではなく、まだらに抜けるようなので、抜ける髪の処理や抜けた後の見え方に患者さんが苦労しているそうです。
そこで、先手必勝! 私は「どうせ抜けるなら、その前に坊主にしてしまおう」と考えました。脱毛する前に坊主頭にしておけば、抜ける髪の毛も小さくて処理は簡単だし、まだらに抜けてもほとんどわからないし、一石二鳥です。
さっそく床屋さんで生まれて初めての坊主頭にしてもらいました。ただし、このときは病棟から出られない状況だったので、病院内の床屋さんに病室まで出張で来てもらいました。