レッスン時間は日曜日の10時から17時(昼休憩1時間)と水曜日の19時から21時になっている。未経験者がやるレッスン時間としては短い。しかも1年間。専門学校なら、週5で1日4時間以上している。限られた時間の中でやるしかない。そのため1日も無駄にはできない。
会社勤めをしながらの活動となるため、かなりハードな生活になるだろう。でも、今の大輔にとってはそのほうがいい。心がモヤモヤしていたころに比べれば遥かにマシだ。養成所の扉を開けた。
「おはようございます。今日からよろしくお願いいたします」
入ると、既に由香がPCを広げて仕事をしていた。すぐにこちらに気づいた。
「おはよう、沢崎君。今日からよろしくね」
由香が眼鏡をしていた。講師モードだ。
「早速レッスンに入るんだけど、その前に沢崎君の現時点での実力を知りたいから、この台本の男性キャラを演じてほしいの。別室にアフレコ室があるからついてきて」
大輔は由香に案内されてアフレコ室に入った。入ってみると、マイクスタンドが数本、その前にモニターがあった。3人くらいなら入ることが出来る。決して広いとはいえないシンプルな部屋だった。
「そのマイクで台本に書かれているセリフを演じて。どういう声でどう演じるかは沢崎君なりに考えてやってみて。すでにマイクは入ってるから好きなタイミングでいいよ」
由香はそう言って手に持っていた大輔が読む台本を渡して別のところへ移動した。おそらくレコーディング室だろう。
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