【前回の記事を読む】浮浪者が突然立ち上がり、胸を掻きむしり始めた。その後「ボン」と大きな音がして…辺り一面に飛散。「ギャー」と声をあげ…

第四章 連続変死事件

次の日、全国紙の朝刊の三面記事に、この事件は小さく取り上げられていた。記者が原稿を上げる締め切り時間の関係で一面トップ記事には間に合わなかったのだろう。

以下はその抜粋である。

〈記事抜粋〉

六月七日水曜日午前一時頃、大阪府大阪市北区堂島浜一丁目の堂島公園で、バラバラになった死体が発見された。大阪府警の発表によると、住所・氏名不詳の男性(推定五十歳から六十歳の男性)が、友人と公園のベンチで酒を飲んでいると、急に苦しみ始め、一瞬にして爆発しバラバラになった。

大阪府警は変死として、他殺、自殺、事故の三通りの可能性を考慮し、捜査本部を設置し捜査を行う。

長谷川は六月の初旬に退院した。肝臓を一部損傷した患者としては驚異的な回復力を示した。神がかり的な回復で、時として人間は不思議な一面を見せてくれるものだと、担当医師は思ったほどだった。

長谷川は退院と同時に、加賀町警察署から本部刑事部捜査第一課に異動になり、巡査部長に昇進した。身を挺した強盗犯の逮捕が新聞に大々的に報道され、昇進はその恩賞の意味合いが強かった。

平岡課長から暫く現場に配属せず課長付きにしておくので、体力の回復を図れと言われたが、本当のところは急な異動であったために、処遇に困っているのだと長谷川は思った。居心地は悪かったが時間が解決してくれるものと割り切って、フォントスの捜査に専念することにした。

その矢先に、大阪のバラバラ変死事件が起きた。直感的にこれはフォントスの仕業だと長谷川は思った。更に、同時刻に近畿地方でフォントスの生命エネルギーパターンが検出されたと、木星の遠隔監視サイトからテレパシーで連絡を受けた。