病気とつきあって生きる
老後の生活不安と少し重なる場面もあるかと思いますが、私自身も4年間で国家試験に合格し、主に念願でもあった精神科と外科の急性期看護に従事しました。精神科の時は、看護師は私の天職だと張り切って頑張っていたのですが、ある日外科に転職した時、過酷な勤務で寝る暇がなく、患者さんが急変して亡くなられる時は感情移入して自分自身も家族のように泣いていました。
このような労働環境の中で、私は「躁うつ病」を38歳の時に発症してしまいました。初めて、ドクターから診断された当時は、看護師である私は知識があるゆえに、かなりショックをうけ、何度も自殺を図りました。
双極性障害(躁うつ病)を御存じでない方も沢山いらっしゃると思いますが、この病気は主に、芸術家や芸能人などに比較的多くみられる病気ともいわれます。ある意味、才能があるといえば、そうなのでしょうが、自分の力だけではコントロール出来ないのです。
これもまた厄介な病気で、気分が高揚している時は、自分は何でも出来ると錯覚し、人よりも仕事を多くこなしたりして、極端に言うと人の仕事まで、やってのけるのです。またおしゃべりが止まらなくなったり、浪費したりもします。
私はこの躁の状態が好きなのです。身体が軽くなるし、寝ないでも平気だし……一生こうであれば楽なのにと思うこともあります。ただ、躁の時、あまりにも頑張りすぎて、エネルギーを使いすぎるので、この時期が過ぎると、1日12時間ほどの睡眠を2週間ほど、とらなければ疲労感がとれないのです。まるでパンダと一緒です。