「こ・ど・も・きゅ・う・で・ん」
「そう、子ども宮殿。子どもにとって大事な場所なので宮殿と言います」
「へぇ~、宮殿かあ」
「そう、みんなは宮殿にいたの。全員が宮殿の王子様か、王女様だったんだよ」
「だから、ぼくを守るために薬も飲まないで我慢したとか言ってたんだ」
「いっぱい栄養のあるものを食べていたと言ってたよ」
親から聞いていたことが宮殿に結びついて子どもの声が続きます。
「そうだね。宮殿ってどんなところだったか、みんなで考えてみようか」
と言うと、
「食べ物がいっぱいあるところ」
「食べ物というより、栄養じゃないの」
「どっちでもいいよ。栄養満点の食べ物があると思うよ」
「それにあたたかいところ」
「守られているところ」
「ふかふかのベットみたいに」
と何か気分が良くなったのかどんどん続きます。私は、
「そうだね、そういう所で守られながら成長してきたんだよね」
とまとめながら『大事に育てられた命であること』や『母親への感謝の気持ち』がふつふつと湧いてくるようにじっくりと時間をとりました。そうして、
「ただねえ、子ども宮殿というと長いでしょ。だから縮めて……」
と言いながら『子』と『宮』を〇で囲みました。すると子どもの方から、
「こきゅう」
という声が聞こえました。そこで、
「そうなんだけど『こきゅう』じゃ息を吸うことと間違えるので、普通は『しきゅう』と言っています」
と言いました。
「子という字は、男子とか女子っていうから子宮って言うんだ」
とすぐに結びつける子もいて納得してこの日の学習を終えました。
※この学習では、
・単なる興味本位にならないように
・また命の尊厳について心を寄せられるように
・母親への愛について心を寄せられる(大切な命である)ように
と配慮しながら進めました。そのため、いつもであれば子どもの問題意識をもとにして学習を進めることが多いのですが、ここまでは資料の提示も教師が意図的におこないましたし、授業が脱線したり拡散したりしないように学習問題になるようなことも教師から提示する形で問題意識の焦点化を図りながら進めました。
試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。
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