【前回の記事を読む】1円玉と5円玉が詰まったビニールを持って、同級生が働くコンビニへ…父の裏拳で顔が腫れたままの私を見て、察した同級生は…
第二章 自立
サラ金業者を何とかして諦めさせて追い返すと、父さんはちょっと機嫌が良くなり「よくやった」なんて言いながら笑って褒めてくる。私は呆れる気持ち半分、今じゃ滅多に笑わなくなった父さんが笑うのが少しだけ嬉しい気分が半分だった。
サラ金業者は私の通う都立小田川高校にも何度も来た。彼らは私の通う高校をしぶとく突き止め、拡声器を持ってきては正門や南門で叫んでいた。
「カネシゲユカの父親はお金を借りても返してくれませぇんっ! ご学友の皆さぁん! カネシゲユカの父親は卑怯者でぇすっ!」
他の人が色んなことを言っていたかもしれないけれど、当時の私はそんな事を気にする余裕も無く、クラスメイトのアキちゃんが「なんか変な人たちが正門に来てるから裏門から帰ろう!」って言いに来てくれるのが本当に救いだった。
おしゃべりな私でも、この事は父さんに言わなかった。
こんなことを半年もやっていれば人間、強くなるものだ。