【前回の記事を読む】文庫本を読んでいただけなのに、「クレイジーだ!」と絶句された……フランス人の彼女が驚いた理由は、日本語の書体の……

Part1 私のスイス生活の始まり

2. なぜ、スイスに30年間住むようになったのか?
~私が体験した日常のスイス~

コラム 【スイスを知る】……言語 公用語が4つある多言語国家

スイスの興味深い特徴を電車内の車掌の会話から感じることがあります。

例えば、チューリヒからジュネーブへ向かう列車(日本での東京~大阪間のような国内長距離列車)では、移動に伴って車内の言語環境が徐々に変化していきます。

同じ車掌が、乗客の使用言語に合わせて、ドイツ語からフランス語へと案内の言語を切り替えていくのです。

また、国際色豊かな乗客一人一人に対して、その国籍や言語に応じて柔軟にコミュニケーションを取る姿は、多言語国家スイスならではの光景です。

写真を拡大 定住人口の推移1970-2022 各言語別

私がスイスにある米国系多国籍企業に勤務した時のことですが、56カ国の人が働いていたので、スイス人のファシリテーターがミーティングが始まる前に必ず聞くことがあります。

参加するメンバーを見て「何語にしましょうか? スイス語、ドイツ語、英語?」

一人でも言語を理解できない人がいれば、必ず別の言語を選択します。

これは、スイス人同士がビジネスで面談する際も同じです。フランス語圏の人とドイツ語圏の人が商談をすると、必ず最初に「何語にしましょうか?」と使用言語を決めます。

同じ国同士なのに、互いに英語で話すこともあります。

序ながら、この多言語国家でスーパーに行き、例えば、コーンフレークやミルクなどの日常必需品を買うと、すべての食品(野菜や生もの以外)にドイツ語、フランス語、イタリア語の記載が義務付けられています。

子どもがコーンフレークを朝食に食べていれば、いつも外国語の単語を目にするので、フランス語ではこう言うのかと、何となく覚えてしまうようなのです。