カフェを出ると、大宮駅までの距離は目と鼻の先なのだが……その間には、一本の桜の木が植えられていてその周りには、ベンチが設置されている。

僕らは、ベンチに腰をかけた。

僕は(体調は大丈夫なのかな……今のところは何ともなさそうだけど……でももしそれを少しでも感じたらすぐに帰らせてあげないと……)と気に掛けるのだが……そんな気遣いとはウラハラに明愛花は「桜……綺麗……」と満開の桜を、うっとりと眺めていた……。

すると明愛花は「君といると安心する……この瞬間がずっと続けばいいのに……」と言う……

僕は、彼女の一言で幸せを噛み締めると抑えていた感情のコントロールが出来なくなり彼女の手を握る……

明愛花も、また……

そして僕らは、向き合い……そっと目を閉じて口付けを交わす……

それは、とてもよく晴れた日だった。満開の桜の木の下で……。

予感

2015.3.11 3時間の秘密

「あら~貴方が冨良野さんっ。どうも娘が、お世話になっております。んで……ご出身が北海道なのかしら……富良野さんだけに?」

「いえっ、僕の名前は、冨良人です……フッラット。北海道の富良野ではないですよ」

「あらっ、ごめんなさい……」

気難しい明愛花とは違い、陽気な振る舞いで冗談を言う明愛花の母のそれは明るい性格が滲み出ていた。

明愛花母は、黒のロングのワンピースに、髪型はショートボブで気品に溢れていた。

明愛花のお母さんとは言っても、顔は全然似ていない、おそらく明愛花は父親似なのだろう……。

 

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