【前回記事を読む】終わった後、「君が好き」と伝えると…「あの…勝手かもだけど…もう少しだけ繋がってて下さい……」と言われ…
満開の桜の木の下で
2014.4 幸せな時間
「こういう場所は、あまり好きじゃなかったかな?」
僕はそんな彼女にそっと聞くと、「嫌いじゃないけど……オシャレ過ぎて……」と気後れしていただけだった……。
そして、そんな不安を拭うように
「ハハ……すぐ慣れるよ」
と安心させるとカウンターの奥から、友人の宏美が姿を見せた、そして僕に、気付いた宏美は
「あっ、冨良人君だ! いらっしゃい」と迎えてくれた。
「えっと……そちらは彼女さん?」
「あぁ、友達の明愛花っ。よろしく」
「へぇ、綺麗な人……初めまして宏美です」
すると明愛花は、またもや挙動不審になりながら
「あっ、初めまして……」
とぎこちない挨拶を交わす。宏美とは二年ぐらいの付き合いで、いつしか妹みたいな存在になっていた。そんな彼女の、頑張って働く姿はなんだか微笑ましかった。
席に案内され一息吐くと、明愛花が口を開く
「ここは、よく来るの?」
「いや……俺もここに来たのは初めてなんだ……。宏美が大宮の駅前の店で働いているって聞いたから、どんなところかちょっと見てみようと思って寄ったんだけど……男一人は、さすがにキツイな。
君がいなければ、まず来ないね、あっ友達とは言っても、出会いは美容師の俺と、そのお客さん。
あの娘の歳は23歳で、趣味でダンスをしてるんだ。仲良くなったきっかけは、さっきの鐘塚公園のベンチに座ってたらたまたまそこに、ダンスの練習で来ていた宏美と会ったのがきっかけで、今では妹みたいもんかな」
「ふぅん……」
明愛花は、ちょっと腑に落ちない、という顔をした。
(女友達の働く店に連れてくるなんて、無神経だったかな?何か言い訳しないとまずいか?)と思ったところ、彼女の方が話題を変えてくれた。