【前回の記事を読む】亡き祖父が仏壇に大切にしまっていた、500枚超の従軍記…翻刻を諦めかけた父が自衛隊本部を訪ねると、職員から信じられない一言が…

まえがき

完成した戦記を読み終えたとき、私は、これまでの自分の先の戦争に対する認識を心から恥じました。

祖父だけでなく多くの兵士が、どのような覚悟であの凄まじい戦争を戦っていたのか。戦いの中で多くの幼馴染や同郷の知人友人そして同級生・先輩後輩が、目の前で血しぶきを上げながら倒れ、それを助けることも弔うこともできずに戦い続けなければならないことがどれほど過酷なことか。

そして、敵として命を賭けて戦う者同士が、いかに互いに敬意を払い、誇りを持って戦っていたのか。

それらが手記を通じて、祖父の魂の言葉を通じて、痛いほど胸に迫ってきました。

「じいちゃんの孫であることを誇りに思います。そして国の未来を守るために戦ってくださった全ての皆様に心から敬意を表します。」これが私の率直な感想でした。

本書は祖父の言葉をできるだけ原文のまま、現代語に体裁を整えたものです。

一次資料としての価値を損なわないよう、固有名詞も極力原文のまま掲載しており、幻冬舎の方々の多大なサポートを頂きながら、祖父が見たもの・感じたことを、そのまま読み手に感じて頂けるよう心掛けて校正しました。

この戦記に興味を持ち、目にして頂いた方々に心から感謝すると共に、ひとりの職業軍人が経験した戦いの姿をありのままに感じて頂ければと思います。

2026年4月

福島大輔