食べてはいけない! 食べるとよい!

溝口:トランス脂肪酸は絶対に摂取しないでください。これこそ百害あって一利なしです。アメリカでは既に使用禁止となっており、ヨーロッパでも含有量の規制があります。しかし、先進国では日本だけが何の方策も取っていません。

中村:トランス脂肪酸というものは、どういった食品に含まれているのですか?

溝口:代表的な例ではマーガリンやパンです。ファストフード、洋菓子、ショートニングなどにも使われています。特に人工のトランス脂肪酸は自然界に存在しないもので、人間の体には必要のない物質です。糖尿病の方の食事もそうですが、人間の体に必要でないものは食べない飲まないということを基本にすべきです。たとえば、アルコール。これって人間の体に必要だと思いますか?

中村:必要ないですね。

溝口:じゃあ、炭酸飲料は?

中村:必要ない、と思います。

溝口:なのに、トクホ(特定保健用食品)とか言って、健康や予防の一部に必要かのように売られています。タバコだってそうです。「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります」とパッケージに記載しているのに、販売会社は必死になって売上げを伸ばそうとしています。実はこの手の話はいくらでもあるんです。トクホに関しては、後ほど詳しくお話しします。

話を元に戻しましょう。トランス脂肪酸という有害物質を摂取していると心臓病や脳疾患を誘発しかねないし、そして消化器官に潰瘍をもたらす遠因にもなりかねません。細胞の機能をおかしくするだけで、特にマーガリンとショートニングは絶対に口にしてはいけません。一日も早く厚生労働省にはトランス脂肪酸の使用を全面禁止にしてほしいですね。

中村:そういったものより、どうせお金を出して食べるなら、先ほどのお話にもあったオメガ脂肪酸系なんかを摂取した方が体にはいいですよね。

溝口:青魚や亜麻仁油(フラックスオイル)は体内で作ることができないオメガ3脂肪酸が摂取できます。特に亜麻仁油は植物オイルの6倍近いオメガ3脂肪酸が含まれていると言われています。

ただ亜麻仁油は熱に弱いのが欠点で、サラダに亜麻仁油をかけて食べるのがお勧めです。キャベツの千切りか、レタスをベースにして、その上にゆで卵をスライスしたもの、玉ネギのスライス、プチトマト、ニンニクチップ、ベーコン風にした豚肉などを乗せ、亜麻仁油半分、オリーブオイル半分、サァーッとかけて食べると最高の贅沢になりますね。