活性酸素とガン細胞
中村:では、その活性酸素を作らない方法ややっつける方法ってあるのですか?
溝口:ありますよ、それは後ほどお話ししましょう。今の日本人には、栄養面での充実が急務なんです。タンパク質はもとより、EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸(※注)、食物繊維、ミネラル、ビタミン、酵素など、栄養素を挙げるとキリがありません。しかし、健康や予防のために必要な栄養学とケガや病気から回復させるための栄養学は似て非なるものです。特にケガや病気から回復させるための栄養学は医療との連動が必要となってきます。
※注 オメガ3脂肪酸→これを摂取することで細胞膜が柔軟になる。栄養素の吸収、老廃物の排出、細菌やウイルスの侵入防止、細胞同士の情報伝達などに重要な役割を果たす。
中村:私はお医者さんに、栄養面での適切な指導を受けたことがありません。ましてや医療と栄養学を連動させた指導なんか一度もありません。医療と薬との連動はたくさんありますが。
溝口:はっきり言えば、医者は医療と栄養学を連動させた指導はできません。先にも述べたように医者の栄養学のレベルは非常に低いんです。
今まで医学部のカリキュラムには栄養学という分野がなかったし、あったとしても他の専門分野の質量に比べたらだいぶ落ちます。トレーニング理論や運動療法同様、マニュアル化された上っ面のものばかりです。
「食物繊維を摂りましょう」「カルシウムを摂りましょう」「塩分は控えましょう」「まごわやさしい(豆類・ゴマ・ワカメ・野菜・魚類・シイタケ類・イモ類)の食品を率先して摂りましょう」「腎臓が悪いのでタンパク質は控えましょう」といったレベルでは……。
たとえば、食物繊維にはトマト、ピーマン、ブロッコリーなどがありますが、これらはファイトケミカルの成分が豊富です。サツマイモや里芋などの芋類、玄米などの穀類、豆類やキノコ類などは腸内環境を整えます。
厚労省が提唱する日本人の食事摂取基準では食物繊維の目標量は18~69歳では一日あたり男性が20g以上、女性が18g以上とされています。70歳以上では男性が18g以上、女性が17g以上です。