【前回の記事を読む】自閉症育児の苦悩で伝わりにくい睡眠障害。娘は深夜2時や早朝4時に起きてしまうこともあり、1番大変なのは…

第2章 自閉症児との暮らしの中で

◆我が子たちの発達特性について

③パニック

娘の場合は、息子や周囲の発達障害の子と比べても、パニックの頻度が高かったように思います。幼いながらに全身を使って言葉で不安を伝えようとするパニックの威力は、すさまじい力でした。

とても子どもとは思えないほどの力で、幼い娘のパニックの被害を最小限にとどめるため、大人数人の力が必要なことも何度もありました。

パニックへの対応としては、原因と考えられるものから引き離したり、1人でクールダウンする部屋があったりするといいとされています。

しかし、家というのは『暮らすため』に設計されていて、クールダウンの部屋など作り出せないし、暮らしに必要なものがあちこちに置かれていて、求められる環境とは程遠い。とても危険な状態でした。

また、苦しいのはパニックになる子やそれに対応する親だけではありません。パニックになる子のきょうだいも苦しい環境に置かれます。

我が家の場合ですが、娘が急にパニックになると、私が娘をとり押さえていました。すると、その状況を目の当たりにした息子は、母親が傷ついている状況を何とか助けようと止めに入ります。ただ、危険なのです。

それがわかるから『近くに来ちゃダメ』と、息子に厳しく叫ぶことも多くありました。息子は、見たくない状況を目の当たりにしたからこそ『助けたい』と行動にでてくれていた。

それなのに、叱られたように感じてしまい、より一層傷付いたことでしょう。また、娘のパニックによって、家族や息子の大切な私物が壊れることが何度もありました。

そうした発達障害児のパニックを、親(とくに母親)だけで受けとめることは厳しいことで、家族だけの時間が不安そのものになっていました。

しかし、家庭内に立ち入って障害児育児を支えてくれる支援はほとんどありません。発達障害児とその家族を支えてくれる社会の仕組みは、どうすれば生まれるのでしょうか。