わたしの子供時代は、ちょっと痛い思い出が多かったです。そのために自分の子供時代を、記憶の外に追いやっていたことを思い出しました。

それでふと自分はどんな子供だったんだろう。なぜ痛い経験が多かったんだろう。でもいまは父の話に耳を傾ける幸せを味わっている。

これってリカバリー体験だなって思ったわけです。

そう気づく以前はですね、いまに意識が向きすぎていて、いま困っていることばかり考えていました。

自分は病気を抱えて生きてきて、いまは回復して抜け出そうとしているけれど、本当に手放しで喜んでこの場から立ち去ってしまっていいのだろうか。そんなことばかり考えていました。

ある種の予感でした。このまま立ち去ってはだめだという、見えない自分への要求を感じたのです。

それはどういうことかというと、痛い経験を抱え、病気になって生きてきた自分の人生こそ、自分らしさの結晶だという思いがあって、それを投げ出したくなかった。それが無ければ自分じゃないと思った。

つまり忘れたくない、自分の中でおぼえておきたい、残しておきたいってことなんです。

そのときに、あ、自分で自分に聞き書きして、残せばいいんだって気づいたんですね。

それならば障害を持っている自分にもできるはずと。聞き書きするだけなら、プライベートでいいんです。

自分でおぼえておくだけなら、パソコン上のファイルに残しておくだけでいいし、出版なんてする必要はない。

ただ、わたしは自分の人生に蓋をせず、堂々と胸に掲げてこれからを生きていきたいと思った。隠さない生き方を世の中に提起したかった。

さらには自分の疑問を一緒に考えてもらえる読者が欲しかったし、いままさに苦しい病気を抱える後輩たちにエールを送りたかった。

そしてなによりも自分自身が読者になって、その本をいつでも読めるようにしておきたかった。

忘れても、思い出せるように。新たな一歩を踏み出すために。

それでとりあえず今回、このリカバリー体験を語る会に参加し、記録に残してみようと思ったわけです。

はい。そんな感じです。

 

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