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4 トゥーシアの中心地 ヴィテルボへ
column 中世のレストラン イル・リキアストロ
美食の街ヴィテルボには評判の良いレストランが多数あるが、中でも筆者のおすすめは、中世の料理を再現している唯一無二のレストラン「イル・リキアストロ」である。
オロロージョ・ベッキオ通りからマッロッカ通りに入ると、通りを跨ぐアーチの下に、控えめに入口がある。美しい中庭の先がレストランだ。石造りの建物は、11世紀に建てられたマッツァトスタ宮の馬小屋を改造したものである。
イル・リキアストロの中庭。イタリアでは、庶民の創意工夫で生まれた家庭料理が美味しく、それが地元の名物料理になっていることが多い。中庭は、かつて通行人から見られることなく貴族がリラックスできるようにと工夫されており、今も寛いで食事を楽しむことができる。
前菜やスープ、パスタの一部が中世の貧しい農民が食べていたメニューだ。豆のスープや鶏レバーのパテは、貧しかった農民にとって重要なタンパク源だったという。コクがあって非常においしく、貴族が農民の真似をして、同じものを食べ出したというのも納得である。
肉料理も提供しているが、こちらはヴィテルボ周辺の田舎料理を現代風にアレンジしたもの。当時農民は肉料理を楽しむ余裕はなかったようだ。食後には、スパイスが入った冷えた地元の赤ワインを試してみた。これも中世のデザートだったそうだ。