「……あのね、正幸さんの事なんだけど、私以外にも女がいるみたいなの」
「そ、そう」
真由も不倫をしているのだから、他にも長澤さんには不倫をしている女性がいても不思議でないと思えたけど、ストレートに言うのは躊躇われた。真由を傷付けたくないから。
「どうしたら正幸さんを独り占めできるんだろ……」
呟くように真由が言葉を漏らし、いっその事離婚してくれたら結婚ができるのに、と続けた。
いや、それは奥様が可哀想過ぎる。実際に被害者は奥様で、私はどちらかと言うと奥様の味方になりたい。これを機に真由が長澤さんと別れれば、と思えてならなかった。
「ね、どうしたら、正幸さん、離婚してくれるかな?」
「それは無理じゃないかな。長澤さんにその気がないから、今も結婚生活を続けているんだろうし。それとも、離婚するって彼は言っているの?」
「言ってないけど……でも、私、彼が大好きだし、体の相性も良いし、私の方が奥さんよりも正幸さんに相応しいって思う」
「奥様の事を知っているの?」
「写真を見せてってせがんだら、見せてくれた。私の方が可愛いし、スタイルも良いんだよ? 奥さんは地味顔でお洒落でもないし」
「でも、長澤さんが別れる気がないんじゃ仕方ないんじゃない? ね、真由……この機会に彼との関係を考えてみたら?」
そう口にしたら、みるみる真由の顔が歪んでいく。
「それって、彼と別れろって言ってるの? そんなの無理に決まってるじゃない! 私達は愛し合ってるの! 奥さんより強くね! その証拠に、正幸さんは奥さんとエッチしてないって言ってるよ! 私とはあそこまで激しくしてるのに。本来結婚すべきなのは、私と正幸さんだって証明でしょ?」
真由が興奮して大声で言う。店員や他のお客が、こちらのテーブルを見て、コソコソと噂しているのが目に入り、私は真由に落ち着くようになだめた。
「確かに私は真由と長澤さんの関係を云々言う立場にないけど、他にも不倫している女性がいるなら、複数の女性と関係を持ってると考えても良いと思うの。それでも真由は彼と関係を保ちたいの? 言い方が悪いけど、大勢の内の一人かもしれないのに」
「……そ、それは……。でも、好きなの。どうしようもないくらいに」
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