真由が席を立ち、長澤さんの元へ行って彼を背後から抱き締め、頬にキスをした。
「こらこら、真由。後でいっぱい構ってやるから、席に戻って」
「うー。はーい」
何か、バカップルを見ているようだな……。
「亜紀ぃ、正幸さんは私のモノだからね!」
「もう、酔っ払ってるの? 何度も言わなくても分かってるよ。それに私にはちゃんと彼氏がいるでしょ?」
「そうだね、亜紀が彼氏を裏切る訳ないよね」
ズキンと胸が痛んだ。
私が裏切っているからではない。俊雄さんからの連絡がない事が『裏切り』ではないにしても、こんなに『不安』にさせる事が彼女に対しての誠意なのか、疑問に思えていたからだ。
「恋愛相談になら乗るよ?」
爽やかな笑顔で長澤さんが言う。
「いえ、彼とは上手くいっていますから大丈夫です」
「そりゃ残念。恋バナで盛り上がろうと思ってたんだけどなぁ。じゃあ、真面目に一周年を祝って、抱負とかでも言ってもらおうかな」
「えー? どーでも良くない?」
「真由はこれからお店をどうしたいとかいうのはないの?」
「ないよ~。私は正幸さんと一緒に働けるだけで幸せ!」
結局、お祝いってよりは、恋バナのようなもので真由と長澤さんが盛り上がり、早めのお開きとなった。真由は頬を赤らめながら、長澤さんと一緒に行ってしまった。もう変な電話が掛かってこない事を祈るだけだ。
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やっと来た俊雄さんからの連絡。だが非常識で思いもよらない内容に私は混乱した。私の恋人は私のことを……
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