マンションのエントランスに入る直前も、秋斗が周囲を警戒する。

「一応、俺周り見てくるから。先帰ってろ」

「そこまでしなくていいよ、もう大丈夫だと思うから」

「いや、家が知られてたらやばいだろ。この様子も見られてたら相手を逆上させてるかも知れないし」

「え、ねぇ、ちょっと……!」

理子の制止より先に、秋斗は踵を返して行ってしまった。

理子は部屋に戻り、玄関近くで秋斗の帰りを待っていた。すると10分くらいで靴音と、隣の部屋の鍵を開ける音がして理子は慌てて部屋を飛び出す。

「あの!」

「……何」

「あ、ごめん、びっくりさせちゃったよね」

「いや、いいけど。出てくるとは思わなかった」

「その……さっきのお礼が言いたくて」

理子はさっき玄関近くで待ちながら考えていたことを口にする。

「あのね……私、変わろうと思ったの。豊橋に嫌なことは嫌だって主張しろって言われて。思い返したら私、昔からずっと自分のことブスだと思って、身の丈にあった行動をしようって、可愛いってこいつ自分のこと勘違いしてるんだなってあざ笑われるのが怖くて」

それは、先日1人で夜の散歩に出た時考えたことだった。

「『訳アリな私でも、愛してくれますか』最終回記念!総集編ピックアップ」の
次回更新は6月20日(土)、11時の予定です。

 

▶この話の続きを読む
自称ブスキャラの私に、彼がかけた言葉は「いつのまにか目で追うようになってた」…でも、自分の行動に後悔した。

👉『訳アリな私でも、愛してくれますか』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】彼には彼女がいるのに…抱き寄せられた。キスは首筋から胸の膨らみへと移り、甘ったるい声が漏れて…

 

ゴールドライフオンラインは、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp