視姦(しかん)

昔 ある地方の詩の冊子に 載せられたもの

台所の隅のゴミ入れに 置かれた

サンマの頭と 同じように

棺に入った自分が

他人に 次々と顔を見られるのを 嫌がった詩

「視姦されるのを拒否したい」と

「視姦」という 彼の造語に 私は目を奪われた

人間に食べつくされて 始末された

サンマの顔を見つめる目と

自分の行末のその場面

重ね合わせた 震える思い

最期のわがまま

最期のプライド

表彰式に 黒のスーツの女性の姿があった