夏休みも終わり、眩しい空が少し高くなったと感じる9月。友達に誘われて訪れた、吹奏楽部。
「やってみたい楽器ある?」
……小さい頃にエレクトーンを習っていたくらいで、楽器や音楽に興味があったわけじゃないからなぁ。
顧問の先生に笛のようなものを二つ渡されて「吹いてみて」と吹き方を簡単に教わる。一つはリコーダーの先っぽみたいなもの、もう一つは金属で穴が開いているもの。
すると金属の物でブ~となんとも気の抜けたまぬけな音がした、と同時に「おっ、よし! お前ペットね!」
「……ペット?」
先生に呼ばれて来た2年の先輩の手には
「ラッパ!」
「そう、ラッパ。トランペットね」
……こんな感じで吹奏楽部に入部、トランペットパートに配属されたんだ。
授業が終わり、放課後に部活動。なんだかキラキラした響きに憧れはあったけど、……まあキツかった。
先輩後輩の上下関係も挨拶ひとつ厳しかったし、肺活量や腹筋を鍛えるための筋トレやジョギング。腹式呼吸やタンギングの練習、炭酸飲料やアイスはダメ。トランペットを奏でるのに、やる事はいっぱいあったの。
吹奏楽部は文化部だけど、やっている事はほぼ運動部。“めざせ、全国大会!”というスローガンを掲げて自主トレ、朝練。パート練習、合奏……多くの時間を費やし迎える本番。
夏のコンクールはもちろん、定期演奏会や文化祭、他にも様々な場面でステージに上がるその刹那。それを感じられたのは、私にとって本当に貴重な経験だったよ。
そして色んなことがあったなぁ……。