第4章

アーミッシュにまつわる話

1)アーミッシュが守るべき規則(オルドヌング)

アーミッシュには、洗礼を受けた者が守らなければならない規則があります。

アメリカ人にもよく知られている規則の1つが、「自動車を運転しないこと」です。

以前は、自動車を所有することも禁止されていましたが、農業以外の職に就いたアーミッシュが必要に迫られ、自前で車を用意して、運転手を雇うようになりました。

イッシュ家でも、セメント工事を請け負うヘンリーが、トラックを所有しています。

車は所有しても、洗礼後のアーミッシュが、運転をすることはあり得ません。

運転はシャニング(村八分)の対象です。

運転しているところを誰かに見られたら、アーミッシュ社会からはじき出されることになります。

他の規則が、だんだんなし崩しになってきた中で、「運転をしないこと」は、最も厳格に守られている規則です。

もう 1 つの、重要な規則は、「公共の電気を使用しないこと」です。

これも以前は、電気を使用しないことがルールでしたが、太陽光パネルの普及や、蓄電器を使用することにより、自家発電で電化製品が使えるようになりました。

ケロシンやろうそくの明かりで得ていた照明は、バッテリーを使うことで、どの部屋でもスイッチ1つで灯りが点せるようになっています。

現在、様々な電化製品が、アーミッシュ用に改造されて便利に使われています。

どの程度家の中を電化するか、どのような電気器具を使うか、判断と選択は各家庭に任せられています。

アーミッシュ社会の、規則の緩みに一応の歯止めをかけるために、年に2度、教会区のビショップ(司教)が一堂に会して会議を行います。

ペンシルバニア州のビショップが全員集まるので、200人ぐらいになるそうです。

会場は、ビショップの家の持ち回りです。

自分の教会区のビショップの番になった時には、教会区全員でサポートします。