新しい入居者は年に20人近くで、退去者もほぼ同数のようです。退去の理由は亡くなる方が大半で、残りの殆どの方は、このホームの運営会社が運営する隣接の混合型の介護付有料老人ホームに住み替える方です。

入居者は24時間365日、施設を利用し、命と暮らしを守るサービスに支えられていますが、それらを賄うのが入居金と管理費です。食事代は別途支払います。殆どのサービスはその場で費用は取られないので、無料のように見えますが、無料なサービスなど1つもありません。

入居者は、入居時に高額な入居金を払っていますので、料金前払いのサービスを受けているのです。さらに毎月、管理費も払っています。

私たちはこのようなホームの壱番館に入居してきました。壱番館の1階と2階は吹き抜けになっており、1階はロビーとフロント。2階はダイニングルームや厨房、大ホールや周遊路があります。居室は全室南向きで、陽当たりは悪くはありません。

2 失ったものより得たものが多いホームの暮らし

ここで6年ほど暮らしていますが、総じて、ライフスタイルを大きく転換しなければならないほどの変化はありません。夫が72歳で退職してからは、私宅は現役時代のしがらみに縛られることもなく、自由でのんびりとした、気楽な生活をしていました。その延長線上の入居でしたので、基本的にはこれまでの気楽な生活の継続でした。

失ったものは自宅、家具、庭の樹々、雑貨などの物だけです。近隣との絆も強くはなかったので、人間関係やメンタル面で失われたものはありません。むしろ、従来の生活に安心・安全・便利が付加され、得たものが大きいと感じています。入居者とも適度に距離を置きながら、ごく自然に過ごしています。