活性酸素とガン細胞

溝口:現代人は本当にビタミンやミネラルという微量栄養素が不足しています。微量ではなくかなり必要な人には必要で、これにも個体差があります。とにかく、できる限り各種ビタミン、ミネラルは多く摂取した方がいいと思います。

先にお話しした通り、体内ではDNAという司令官の指示に従って、自動再現能力が稼働しています。多くのビタミンとミネラルなどの協力によって、各種タンパク質の合成がうまくいき、自動再現能力も正常に働きます。しかし、体内の自動再現能力がずっと正常に稼働してくれるとは限りません。

中村:と言うと……?

溝口正常に稼働している自動再現能力を狂わせる物質があるからです。たとえるなら、コンピューターウイルスのようなものです。これが実に厄介なもので老化現象に代表される物質であり、ガンの誘因物質としても有名です。その物質は「活性酸素」です。

これは体に必要なものでもありますが、老化やガンなどを引き起こす危険な暴走車という顔も持っています。この活性酸素はどんな状況時にも発生するので、厄介極まりない物質です。

人間は運動、呼吸、食事等でもエネルギーを使います。生きている限りはこのエネルギーを必要とし、そのエネルギーを生産してくれるのがミトコンドリアという細胞小器官です。ミトコンドリアはブドウ糖や脂肪を燃焼してエネルギーを生産してくれます。

しかし、その生産をする際に大量の酸素を使うのですが、そこである障害が生まれます。その酸素の2%近くが危険な暴走車である活性酸素に変化するのです。