「よっしゃーいくぜー!」

トムの第一声で英介にきっかけと注目の愛の矢をそれぞれ放った。よって二人の協同恋愛プロジェクトが開始されたのであった。

やがて、セミナーは終了し英介は会場を後にした。

「すみませーん!」    

少しして遠く後ろの方から必死に走って英介に声を掛けてくる女性の姿があった。

英介がふと後ろを振り向くとそこに瞳の姿があった。

「早川瞳さんどうかなされましたか?」

英介がそう答えると少し間を置き瞳が目を輝かせた。       

                  

「えっ私の名前を覚えてくれてたんですか?名札に書いていただけでお話もろくにしてなかったのに……何か嬉しいです」

瞳は目をウルウル輝かせ英介を見た。 

英介は自分が知らず知らずのうちに、人の名前を自然と覚えるほど女性に好意を寄せていたことに驚くと同時に、何故こんなに若くて可愛い女性が自分に声を掛けてきたのかが非常に疑問であった。

「ハンカチありがとうございました」

瞳は片手でハンカチを上げ笑顔で言った。

英介は当初、何のことだか全くわからないままであったが見せられたハンカチは確かに自分のものであった。そこで走馬灯のように薄れていた記憶が蘇った。

それはセミナーの時、机に置いていたハンカチが落ち、それを拾い上げた時にたまたま偶然通りがかった瞳が何故かはわからないが英介のハンカチを笑顔で奪っていったことであった。

瞳は続けて言った。

「私あの時急いでて、会場の階段に足をぶつけてしまい血が止まらなかったんです。だけど風間さん真剣な表情で私にハンカチを渡してくれました。本当にありがとうございました。必ず後日洗って返すので連絡先を教えていただけますか?」

「あー……お気遣いなく。それ捨てていただいて結構ですよ。大して気にしてませんから」

瞳は急にムッとしたふくれ顔になり英介に言った。

「私にはそんなことできません。もっと物を大事にしてください。それと、仕事以外の人間関係にもっと興味をもってもらっていいんじゃないですか?」

▶この話の続きを読む
「僕たちは不倫している人か親子にしか見えない」24歳差の若い女性にそう言うと、彼女は涙を浮かべ…

👉『お世話になります』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】「凄いイケメンくんだ…ちょっと想像以上だわ」肩から少しずつ脱がされ、身体を重ねるような密着マッサージがはじまり…